ネオクラのはしり? 本格4WD用ホイール「JAOS TRIBE」のお話し
ご無沙汰しております。
「もっと頻繁に更新しなければ」とお話ししてからあっという間に約10カ月経…
その間、コラムに取り上げたい出来事はたくさんあったのですが、なかなかどうして…という感じで間が空いてしまいました。
「今後はもっと頻繁に…」とは毎度思うのですが、出来ないお約束をしてもしょうがありません。
せめて四半期に1本更新…位の気持ちでおりますので、懲りずにお付き合いいただければ幸いです。

さて
ジャオスのホイールの中でも主にフレーム付き本格4WD用としてご支持をいただいているTRIBEシリーズですが、今回はその始祖と言える「JAOS TRIBE」について誕生ストーリーなどお話ししたいと思います。

▲ JAOS TRIBE
■開発のきっかけはランドクルーザー70の再販
今からさかのぼること約12年前の2013年末。
トヨタモデリスタより「2014年に再販されるランドクルーザー70に向けてアイテムを用意しないか」とのご連絡をいただいたところから話は始まります。

実は同車に対しては海外用品などをOEM受注していたのでおおよその動向は把握していたのですが、国内車両用のアイテム展開となると話は別です。
…というか
当社社長や私も含め、社内にもランドクルーザー70ファンは数多く在籍しているので、まずは国内での車両再販自体が嬉しいうえに当社アイテムをディーラー展開させていただけるなんて光栄の至り…なわけです。
そこで目玉アイテムとして開発したのが「JAOS TRIBE」でした。
ご存知の方も多いと思いますが、ランドクルーザー70はかなり特殊なホイールサイズ(リム幅/インセットが昭和+ランドクルーザー独自のP.C.D)なので、当時の我々の既存ホイールの中では適合できるものがありませんでした。
しかし、ワンピースホイールを新たに開発するのは高額なコストがかかります。
我々やマニアな方にとってはウエルカムバック! なランドクルーザー70ですが、「ガソリン・マニュアル・1ナンバー」というかなりハードルの高いモデルが一般の方々に受け入れられるかのかどうか…
実際、当初の車両計画台数はバンとピックアップモデルを合わせて全期間トータルで1500台だったように記憶しています。(ちなみに最盛期のパジェロは”月販”台数が1万台を超えていました…)
その台数をマックスとして、その中からカスタマイズに着手されるユーザーを推測すると…
残念ながら専用ホイール開発に踏み出せる台数にはなりません。
通常ならこの時点で「ホイール新設」は頓挫するのですが、何しろランドクルーザー70のJAOSスタイルを実現したい…それにはホイールは必須!
…との思いにより、バンはもちろん、ピックアップモデルにも専用のホイールを設定することになったのです。

■シンプルなランドクルーザー70に似合うシンプルなデザイン
開発がスタートする前から仕込み始めているのがデザイン/コンセプトです。
ホイールは汎用性が高いので、通常ならトレンドとJAOSスタイルを組合せて様々な検討を行うのですが、今回は「ランドクルーザー70」にターゲットが絞られているのでそれほどバリエーションは必要ありません。
そこで
「虚飾を排した質実剛健なデザイン」というコンセプトのもとに2つの初期スケッチを起こしました。
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| ▲5本スポークタイプ | ▲ディッシュタイプ |
超シンプル笑
5本スポークタイプはアルミホイールの基礎中の基礎…という所です。
ジャオスでも
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| ▲VICTRON R | ▲ VICTRON FORIO | ▲ VICTRON ZIGA |
などがシンプルな5本スポークデザインで商品化されています
そしてイラスト右側のディッシュタイプ。
結果としてこちらが商品化されるのですが、そのモチーフとしたのが…スチールホイールでした。

シンプルな5本スポークでは類似品が多くて独自性をアピールしづらい。
そして前記したキーワード「虚飾を排した質実剛健」を突き詰めているうちに、「究極の質実剛健て…スチールホイールじゃない?」に行きついたワケです。(スチールホイールをそのままアルミ化してみたら面白いじゃん…ってアソビゴコロも少しありました笑)
今でこそ…
特に4WD&SUV業界ではスチールホイールをモチーフにしたアルミホイールがブームのようにリリースされていますが、当時では、唯一とは言いませんがかなりレアな存在だったと思います。
実際、商品化に対しては社内でも異論はありましたし、モデリスタでプレゼンテーションした際にも「え?」って微妙な空気が流れたものです。笑
そんな状況を押し引きしながら、開発スタートしたランドクルーザー70用ホイール。
おおよそのデザイン方向性が決まってからも様々な検討を行っています。
以下はその一部
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| ▲フラットタイプ | ▲台形窓タイプ | ▲センターガードタイプ |
この中から「センターガードタイプ」に絞った上でさらにディティールを煮詰めていきます。

▲修正指示
こうして造形プロセスはどんどん進んでいくのですが、実はこの時点ではまだ名称が決まっておらず

当初スケッチでは仮称としてVICTRON LC(Land Cruiser)のネームを入れていたような状況。
※当時、ジャオスのホイールには「VICTRON」ブランドを使用していましたが、現在のホイールはすべて「JAOS」ブランドに統一しております。
ただ今後の展開を考えるとLCではなにかと具合が悪い。
そこで多数の候補の中から選ばれたのが「部族・種族」という意味を持つ「TRIBE」でした
■JAOSホイールの主軸シリーズへ
そんな我々の強い思いを発端として誕生した「VICTRON TRIBE」。
ランドクルーザー70の販売好調にも助けられて一時は出荷が間に合わないほどのご好評をいただきました。
(車両はバンとピックアップ合わせて最終的に7,000台以上が販売されたそうです)

▲ TRIBEを装着したHZJ76とGRJ78
その後、ご好評により様々なモデル用サイズを拡充しました。

▲ 後にアジアクロスカントリーラリーに参戦したTRIBE 装着FJクルーザー

▲ モデリスタセレクション採用のランドクルーザー200用TRIBE 18inch

▲ランドクルーザー300用TRIBE 18inch(250と共通)

▲ランドクルーザー250用TRIBE 18inch(300と共通)
そしてこの度、ジムニーシエラ&ノマド用サイズも新たにリリース。

▲ 新サイズのTRIBEを装着したジムニーノマド
また
「TRIBE」を起点とした「TRIBEシリーズ」はTEAM JAOSのモータースポーツ参戦車両用ホイールとして進化し続けています。

▲JAOS TRIBE を装着した アジアクロスカントリーラリー参戦ハイラックス(2016)

▲ JAOS TRIBE CLAW

▲JAOS TRIBE CLAW を装着した アジアクロスカントリーラリー参戦ハイラックス(2017~2019)

▲ JAOS TRIBE CROSS

▲ JAOS TRIBE CROSS を装着したBAJA 1000参戦 LEXUS LX(2022~2024)

▲ JAOS TRIBE CROSS を装着したBAJA 1000参戦 LEXUS GX(2025~)
ランドクルーザー70用としてTRIBEの最初期品が開発されてからはや約12年。
気がついてみると同じようなコンセプトのホイールがずいぶんと多くなったようですが、国内ENKEIのフローフォーミング製法を用いた本格4WD&SUV用ホイールとして「JAOS TRIBE」および「JAOS TRIBEシリーズ」は今後も独自路線で進化し続けていきます。







